京都のお寺様の工事が無事完了しました。

本日、京都のお寺様の庫裡改築工事が完了しましたので、御挨拶に伺いました。約10カ月の
工事期間でした。工事中は法要や行事等で中断しましたが、無事竣工出来た事に感謝しています。
お寺様も大変喜んで下さいまして、感謝致しております。
本日、御住職様のお兄様のお寺の工事の依頼を頂きました。
昨年の7月13日に恩師の櫻井敏雄先生にお寺様を紹介して頂きました。
先生曰く「後は奥滝君、君に任せたよ」となりました。一段とプレッシャーがかかりました。
途中経過の報告をしましたが、「君に任せたから」でした。無事竣工しましたので、
先生にやっと報告が出来ます。本堂は文化財金剛組が工事を完了したところでした。
庫裡は江戸時代中期(宝暦八年)今から255年前の建物です。
昭和八年に大規模増改築工事をしたままでした。段差の事。プライバシーの事。隙間風の事。
収納の事。漏水の事。水回りの事。白蟻の事。等々でした。
今回の工事で、それらのほとんどは解消出来ました。
使用材料は全て無垢材です。一番神経を使ったのが五寸角、四方無地の檜の柱の手鉋かけでした。
又、一番苦労した事は、工事中のホコリと境内の掃除でした。積もり積もったホコリは
メバリしても容赦なく侵入した事にはマイリマシタ。境内も毎日、朝・夕の掃除でした。

それらも今では大切な良い思い出です。


風格のある庫裡の正面です。


庫裡からの風景です。京都市内が一望に望めます。
遮蔽物がない為、西風が直接当たります。冬はその為、本当に寒い環境です。
冬の西風対策(断熱施工)。夏は西陽が直接あたります(西陽対策断熱施工)。
今では快適な生活をして頂けるようになりました。


庫裡の内玄関です。この一画は創建当時のままです。牛梁や梁・桁等の美装工事をしました。本当に一番危険な作業でした。


LDKは大黒柱と大きな梁を基本にまとめました。
天井を解体したら、大きな梁や牛梁が現れました。そのまま又、天井裏に隠すのも勿体ないと
思いました。それで、天井を片流れにして大空間にしました。(残響音も気になりません)


書院側のお客様用のキッチンスペースです。
今までは、いちいち台所まで何往復もされていました。


高齢のお母様の為のトイレです。それまでは夜でも外のトイレだったそうです。
もう安心です。


家族用のトイレも来客用のトイレも同じデザインでまとめました。
室内トイレ3ケ所・男子用トイレ1ケ所。外部和式トイレ2ヶ所・男子トイレ1ヶ所。です。


男子用のトイレが必要か・・最後まで検討課題でした。
衣を着た時の事を考えて、男子用のトイレも採用となりました。

まだまだ工夫をさせて頂いた個所は沢山あります。
大変な作業でしたが、多くの職人さん達の協力の御蔭で無事竣工する事が出来ました。
この様な立派な仕事をさせて頂きました事に感謝致しております。