大学時代の先輩から貴重な資料を頂きました。

先日、近畿大学建築学部を昨年退職された先輩から、
建築学科の講義で使われた、とても貴重な資料を頂きました。仏教建築変遷の資料です。

先輩とは公私にわた学生時代からの本当に長いお付き合いです。色々とお世話になりました。
恩師の櫻井敏雄先生のもとで仏教建築を学びました。時系列に纏められた資料です。
学生時代にこのような資料があれば良かったと思います。今の学生は恵まれていますね。


この様に建物の詳細部の説明をしながら、建築の変遷過程を分かりやすくまとめています。

先輩との一番の思い出は、夏休みに二人でお寺の調査をしたことでした。
恩師の櫻井先生が、鎌倉時代の仏教建築を研究されていまして、
鎌倉時代までの仏教建築の変遷過程の研究でどうしても『融通念仏宗』のお寺の調査が必要となりました。
その為、調査範囲を畿内大阪府京都府奈良県滋賀県)の絞って、1/25000の白地図を頼りに卍印を徒歩で調べました。

特にきつかったのが河内平野に点在しているお寺の調査や信貴山の斜面をテクテク歩いて尋ねた事でした。
調査道具は、カメラ2セット、バッテリーセット、三脚、野帳セット、延長コード等をショルダーバッグをたすき掛けにしての行軍でした。
両肩にアザが出来るほどの重さでした。
苦手だったのがNikonの35mmあおり付きレンズの撮影でした。
当時はネオパンフイルムでしたから、フイルム番号と撮影枚数をきちんと記録しないと、
現像してから、どこのお寺か不明になるので、本当に神経を使いました。

一番勉強になりましたのが、先輩がお寺に行く先々で事細かに説明してもらった事と、
自分の足で歩いて調査することの大切さを教わりました。

調査の結果「融通念仏宗」のお寺を見つける事が出来ました。
以後先生の論文も順調に進んだようです。
先生の論文は東京大学博士号の取得。日本建築学会賞の受賞。
鎌倉時代の仏教建築の権威となられました。


櫻井先生が出版された書籍です。(非売品です)

そんな環境で鍛えられて今日があると思います。
恩師や先輩に恵まれたことに感謝致しております。